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バンコクのジム・トンプソン・アートセンター(Jim Thompson Art Center)で2026年10月10日(土)、現代美術展「And Still, Another After」が開幕しました。経済危機や移住、環境の変化、労働のあり方など、タイや東南アジアの現代社会が抱える問題を若手アーティストたちの視点から見つめる展覧会で、2027年3月29日(月)まで開催されます。ジム・トンプソン・アートセンターが公式サイトで発表しています。
「And Still, Another After」は、タイや東南アジアの人々が経験してきた社会の変化と、その影響が現在の暮らしにどのように残っているのかを考えるグループ展です。
展覧会が取り上げるのは、経済危機、人口移動、環境の変化、労働システムの変容といったテーマです。
例えば、経済危機そのものは過去の出来事となっても、その後の雇用や家族の暮らしには長く影響が残ることがあります。また、都市開発によって街並みが変わり、人々が移り住むことで、地域社会の姿も少しずつ変わっていきます。
今回の展覧会では、こうした変化を過去の歴史として振り返るだけでなく、現在も続いているものとして捉えます。
グローバル化が人々の暮らしに与えた影響について、記憶や生活環境、非公式経済、文化施設、都市の風景など、さまざまな角度から考察。社会の中で受け継がれてきた仕組みが、どのように維持され、修復され、交渉され、新しい形へと変わっていくのかを問いかけます。
展覧会のキュレーターを務めるのは、Rinrada Na Chiangmai氏です。
参加アーティストは以下の6組です。
Bhumikorn Kongtaveelert
Pakapat Limlertphonboon
Sareena Sattapon
Nat Setthana
Marisa Srijunpleang
PLERN VERN
このうちBhumikorn Kongtaveelertは、Anna Golubkova、Pitchada Poolsawad、Piyatida Piyamassakulとの共同制作も行っています。
若い世代のアーティストたちが、過去から受け継いだ経済的・社会的・環境的な状況とどのように向き合っているのかが、展覧会の重要な視点となっています。
過去の世代が作り上げた社会の仕組みや価値観は、次の世代へそのまま引き継がれるとは限りません。変化する社会の中で、人々はそれらを守ったり、見直したり、新しい形に作り替えたりしています。
展覧会では、そうした過去と現在、そしてこれからの社会とのつながりを、アーティストそれぞれの表現を通じて考えることができます。
今回の展覧会で注目されるのは、ジム・トンプソン・アートセンター周辺の地域社会との関係です。
会場があるカセムサン地区は、サイアムやMBKセンターなどの大型商業施設が集まるエリアからほど近い場所にあります。
一方で、周辺には昔ながらの住宅地や地域社会も残り、近代的なショッピングエリアとは異なるバンコクの姿を見ることができます。
展覧会では、サイアム地区、カセムサン地区、バーンクルア地区の歴史や社会的背景にも目を向けています。
特にバーンクルア地区は、ジム・トンプソンのタイシルク事業とも深い関係があります。
センセープ運河沿いに位置するバーンクルアは、古くから絹織物の職人が暮らしてきた地域です。ジム・トンプソンがタイシルクを海外へ広める過程でも、地元の織物職人たちが重要な役割を果たしました。
華やかな商業施設が並ぶサイアムのすぐ近くに、こうした歴史を持つ地域があることも、バンコクの興味深いところです。
今回の展覧会は、現代美術を鑑賞するだけでなく、会場周辺の街がどのような歴史をたどって現在の姿になったのかを考える機会にもなりそうです。
展覧会は、ジム・トンプソン・アートセンターのギャラリー1・2と、ウィリアム・ウォーレン図書館(William Warren Library)を会場に開催されます。
ジム・トンプソン・アートセンターは、タイ国内外の現代美術を紹介するほか、展覧会や教育プログラム、文化交流などを行っている施設です。
今回の「And Still, Another After」も、作品を通じて社会や歴史を見つめ直すという、アートセンターの活動を反映した展覧会となっています。
会期は2026年10月10日から2027年3月29日までの約半年間。開催期間が長いため、バンコクを旅行する人にとっても訪れる機会がありそうです。
会場に隣接する「ジム・トンプソン・ハウス」は、バンコクを代表する観光施設のひとつです。
ジム・トンプソンは1906年生まれの米国人で、第二次世界大戦後にタイへ移り住み、タイシルク産業の発展に貢献しました。
1950年にタイ・シルク・カンパニーを設立し、タイの伝統的な絹織物を国際市場へ紹介。デザインや品質に優れたタイシルクは、海外でも知られるようになりました。
トンプソンはタイの伝統建築や美術にも強い関心を持っており、1958~1959年にかけて古いタイ式木造家屋6棟を集め、自宅として再構成しました。
現在のジム・トンプソン・ハウスがその建物です。
伝統的な高床式の木造建築には、トンプソンが収集した東南アジアの美術品や骨董品などが展示され、緑豊かな庭園とともに公開されています。
なお、トンプソンは1967年3月27日、マレーシアのキャメロンハイランドで休暇中に行方不明となりました。その後も消息は分かっておらず、タイの歴史に残る謎の失踪事件として知られています。
現在、旧邸宅は博物館となり、隣接するアートセンターでは現代美術を紹介しています。
伝統的なタイ建築や美術品と、現代のアーティストによる作品を同じ敷地で楽しめるのも、この施設の特徴です。
ジム・トンプソン・アートセンターは、BTSナショナルスタジアム駅1番出口から徒歩約3分の場所にあります。
MBKセンターやサイアムディスカバリーなどが集まるショッピングエリアにも近く、観光や買い物と組み合わせて訪れやすい立地です。
また、センセープ運河ボートのフアチャーン船着場からも徒歩約3分でアクセスできます。
アートセンターのみの入場料は大人50バーツ。ジム・トンプソン・ハウス博物館も見学する場合は、250バーツの共通入場券が利用できます。
開館時間は毎日午前10時から午後6時までです。
ジム・トンプソン・ハウスでは、伝統的なタイの木造建築や美術品を見学できます。現代美術展とあわせて訪れれば、タイの伝統文化から現代社会まで、異なる時代の文化に触れられるでしょう。
展覧会名:And Still, Another After
開催期間:2026年10月10日(土)~2027年3月29日(月)
会場:Jim Thompson Art Center(ギャラリー1・2、William Warren Library)
所在地:6 Soi Kasemsan 2, Rama 1 Road, Bangkok
開館時間:10:00~18:00(毎日)
入場料:大人50バーツ(アートセンターのみ)
博物館との共通入場券:250バーツ
会員:無料
10歳未満:無料
アクセス:BTSナショナルスタジアム駅1番出口から徒歩約3分
センセープ運河ボート:フアチャーン船着場から徒歩約3分
電話:02-001-5470
公式サイト:Jim Thompson Art Center
※出典:
Jim Thompson Art Center – Exhibitions
Jim Thompson Art Center – Visitor Information
Bangkok Art City – And Still, Another After
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