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東南アジアの2023年第1四半期スマートフォン市場出荷量を発表

2023年5月22日 配信

東南アジアの2023年第1四半期スマートフォン市場出荷量を発表

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、東南アジア主要5大市場(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア)の2023年第1四半期スマートフォン市場における出荷は、需要の低迷と季節性の落ち込みを受けて前年同期比13%減少したという調査結果を含むSoutheast Asia Monthly Smartphone Channel Share Trackerによる最新調査を発表致しました。



東南アジア主要市場の全てで2023年第1四半期の出荷が落ち込んだとはいえ、各市場において異なる理由がありました。ベトナムなど2022年第4四半期に比較的出荷が多かった国々では、消費者心理が完全に復調していないため、メーカー各社が2023年第1四半期の数量を絞ったという背景がありました。加えて、Samsungの生産が10%落ちたこと、2022年第4四半期を終えた年の初めというタイミングもあり、季節性の需要低下があったこと、携帯メーカーもキャリアも売上が下がったこと等の点も影響を及ぼしています。一方で、インドネシアやタイの状況は比較的良く、2023年3月から需要は回復し始めています。

図1: 東南アジア主要国におけるスマートフォン出荷量

出典: カウンターポイント社Southeast Asia Monthly Smartphone Tracker

東南アジア主要各国は、昨年の地政学的な課題の影響からは脱したものの、まだインフレの影響を受けている国もあります。フィリピンでは年初に高インフレに見舞われましたが、通信事業者は5G推進やハイテク企業との協業に引き続き積極的です。インドネシアやマレーシアのような大きな経済圏に外国からの投資が再び入り、業界は以前のペースを取り戻しつつあります。また、金融サービスとの協業も起きています。例えば、インドネシアのOPPOは銀行と協業して銀行サービスを提供し、タイ最大のキャリアであるAISはBangkok Bankとパートナーになり、デジタルプラットフォーム上で金融サービスを提供しています。そうした中、消費者自体は、経済状況の改善を実感しているとは言い難く、スマートフォン購入の多くは延期されています。

図2: 東南アジア主要国におけるスマートフォン出荷と市場シェア

出典:カウンターポイント社Southeast Asia Monthly Smartphone Tracker

ベトナムではAppleのiPhone市場が拡大しており、2023年第1四半期のiPhone 13と14の需要が好調でした。また、インドネシアでもiPhoneの出荷が伸びており、本該当市場全体として、iPhone出荷は2023年第1四半期に前年同期比18%増加しています。

Infinixはフィリピンで開催されるeスポーツプロリーグMobile Legendsのオフィシャルパートナーであり、Infinixはこういったプロモーションにより、東南アジアにおいてゲーム企業としてのブランドを向上させています。全体として、Infinixのボリュームはトップメーカーにはまだ及ばないものの、この地域で成長を続けており、同社は2023年第1四半期には41%成長しています。

年初に特定のメーカーが注目されていましたが、2023年第1四半期の価格帯別シェアでは2種類の消費者グループに有利な結果となりました。まず、200米ドル未満の価格帯では、全体数量が減少する中で、前年同期比4%の成長となりました。エントリーレベルのスマートフォン出荷は一貫して低水準だったため、2023年第1四半期には、需要が積み上がり、出荷数量が増える結果となりました。但し、全ての国でローエンドスマートフォンの出荷が急増したわけではなく、例えばベトナムではメーカーがなんとか出荷を伸ばそうと努力を続けており、フィリピンでは低所得者層が高い税金とインフレの問題に悩まされており、ローエンドスマートフォンの購入に繋がっていません。高価格帯帯機種(600米ドル超)の出荷も引き続き増加しており、前年同期比4%増となりました。中位~上位価格帯機種(201米ドル~600米ドル)のスマートフォン出荷が、この地域全体で最も苦戦しています。

東南アジアの2023年の経済状況に関して、カウンターポイント社シニアアナリストGlen Cardoza氏は次の通り述べています。

「東南アジアは、消費者のタイプによって行動が異なる段階にある。ローエンドスマートフォン購入者層は元気を取り戻しつつあるが、まだ購入するまでには至ってない。中位~上位価格帯スマートフォン購入者層は財布の紐が固く手持ちのスマートフォンを使い続ける傾向にある。そして上位~高価格帯スマートフォン購入者層は、経済的な影響を受けていない。この層の消費者はSシリーズや折りたたみ型、iPhoneを選んで購入している。5Gが一般的になる一方で、キャリア各社はアイディアを凝らした販促パッケージや購入オプションを全種類のスマートフォンで展開している。各国政府がマクロ経済の自国への影響は限定的だと国民に発信するのと並行して、ここ数か月で消費者心理はもう少し上向くだろう。」

ベトナム政府は年内に同国で5Gを商用化する予定です。早く商用化が行われることで、製造と消費者利用の両方が新たなレベルで促進されることが期待されます。また、マレーシア政府は産業界と5Gの商用化およびルール策定を進めていますが、消費者の間では既に5Gスマートフォンが使われているという状況にあります。

今年になって、東南アジア各国で観光客が増加したことで、観光ビジネスの売上が伸びる期待があります。タイなどではサステナビリティの観点からエコツーリズムを推進しており、その活動はすべてスマートフォンを通じて行われています。こうした動きを日常のことと感じられるようになれば、次第に消費者心理が改善されていくだろうと期待されます。

※東南アジア主要国には、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアが含まれます。

本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。

https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Monitor/3866

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2023年1月1日~2023年3月31日)

【カウンターポイント社概要】

Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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