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第117回 世界のサッカー・タイのサッカーが変わろうとしている -タイの2大クラブBuriram UnitedとMuangthong Unitedの徹底比較-

2013年5月7日 配信

2013年5月7日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

CL(欧州クラブチャンピオンズリーグ)準決勝で、FCバルセロナ(スペイン)がバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に0-4(1stレグAWAY)・0-3(2ndレグHOME)と完膚無きまでに叩きのめされての敗退を喫した。FCバルセロナ、そしてスペイン代表が”全世界の目指すサッカー”とされて来た時代に終止符が打たれたのであろうか。昨年までもバルセロナが敗れる試合は当然あったのであるが、対戦相手は大概”守備を固めて速攻に賭ける”戦術を取っていた。今回の試合はポゼッション率では上回っていたものの、決してバイエルンのボールポゼッションも見劣りはしなかった。そこに”ロッベン(ドイツ代表)”と”リベリー(フランス代表)”という両サイドペナルティエリア付近にスピードと決定力をプラスしたバイエルンの新時代の幕開けのように感じた。

タイのACL(アジアクラブ選手権)に出場しているBuriram UnitedとMuangthong United。Buriram Unitedは1勝4分1敗と勝ち星に恵まれなかったが粘りに粘ってのグループリーグ突破、Muangthong Unitedは0勝1分5敗と早々にグループリーグ敗退と両チーム明暗がはっきりと分かれた結果となった。

何故タイ国内では無敵を誇るMuangthong Unitedがこのような結果に沈んだのか。全ての試合を観戦した訳では無いが、Muangthong Unitedの中盤がアジアでの戦いに慣れていなかった事が挙げられるような気がする。グループリーグ最終戦の浦和REDS戦で証明したように決してMuangthong Unitedのサッカーが通用しない訳では無い、むしろ前半はやや優勢に試合を展開していたように映った。しかしアウェーでは何故かドン引きの戦術を取り、大敗を喫するゲームが多かった。タイ国内の試合では、守備を固めてくる相手に対してエースNo.10“Teerasil Dangda”選手が一人でゴールを抉じ開ける力を持つが、格上相手(アジアレベル)になるとそれだけでは厳しいことが証明されたように思う。

昨年からジャイアントキリングを起こし、アジアレベルでも十分通用することを証明しているBuriram United。出入りの激しいポジションニングでボールを動かし相手を崩すスタイルは日本のJリーグチームのよう。今季はそこにNo.19”平野甲斐”選手を筆頭にNo.17”Anawin Jujeen”選手・No.21”Juan Quero”選手等前述のバイエルンのような両サイドペナルティエリア付近にゴールへの仕掛けが加わった。昨年のタイ国内のリーグ戦(TPL)での失速は、Suzuki Cup(東南アジア選手権)・ACL等の試合が重なり過密スケジュールによる選手の疲弊が原因。今季は選手層の厚さも増し、タイでは頭一つ抜け出した存在になっているように思う。

今までのバルセロナのようにボールを失わないサッカーから、両サイドペナルティエリア付近からスピードと決定力を加味するサッカーへの変遷。世界のみならずタイでもその流れが見て取れている。そんな矢先Buriram UnitedのTak監督の辞任が発表された。彼はMuangthong Unitedをビッククラブへの仲間入りをさせた他、Buriram Unitedに数々のタイトルをもたらしたタイサッカー会の重鎮。そのTak監督、辞任と同時にBangkok Glass監督就任が発表された。Bangkok Glassにはスピードと決定力を備えたNo.20”猿田浩得”選手がいる。残念ながら今季スタートダッシュに失敗したBangkok Glassをどのように立て直していくのか、非常に楽しみである。

伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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