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9月の洪水
バンコク都のチャッチャート・シッティパン知事は2026年10月10日、9月下旬から続いていた洪水被害について、市内の9割以上の地域で状況が改善したことを明らかにしました。一方、東部のミンブリー、ノーンチョーク、プラウェート、サパーンスーン、ラートクラバン、ブンクムの6区では計97コミュニティで浸水が続いており、排水作業を急いでいます。タイメディアのTHE STANDARDなどが伝えています。
チャッチャート知事は10月10日、バンコク東部サパーンスーン区のムーバーン・ナックキーラー(นักกีฬา、スポーツ選手村)地区を訪問し、洪水被害からの復旧状況を視察しました。
知事によると、バンコクでは直近2日間に大きな降雨がなかったことから水位が低下し、市内の9割以上で洪水の状況が改善しました。主要道路や市街地の多くは通常の状態に戻りつつあります。
しかし、東部では依然として住宅地などに水が残っています。
10月10日時点で浸水が続いているのは、以下の6区です。
・ミンブリー区(Min Buri)
・ノーンチョーク区(Nong Chok)
・プラウェート区(Prawet)
・サパーンスーン区(Saphan Sung)
・ラートクラバン区(Lat Krabang)
・ブンクム区(Bueng Kum)
影響を受けているのは計97コミュニティで、特に運河沿いの低地に位置する住宅地で排水が進みにくい状況となっています。
なお、これは各区の全域が浸水しているという意味ではなく、各区内の一部地域で浸水が続いているということです。
東部の浸水が長引いている原因のひとつが、バンコクを取り囲む周辺県から流れ込む大量の水です。
知事によると、北側のパトゥムターニー県とナコーンナーヨック県、東側のチャチューンサオ県、南側のサムットプラカーン県からの水が、バンコクの運河に流れ込んでいます。
このため、市内で雨が降っていなくても運河の水位が下がりにくく、住宅地からの排水が進まない状況が続いています。
特にラムプラティオ運河では、水位の低下が1日わずか2~3センチ程度にとどまっているといいます。
バンコク都は排水能力を高めるため、運河に水流を促進するボートを配置し、プラウェート・ブリーロム運河などを通じて排水を進めています。
さらに、タイ王立灌漑局と連携し、プラオンチャオ・チャイヤーヌチット運河を経由してタイ湾方面へ水を流す対策も実施しています。
一方、パトゥムターニー県側の浸水を緩和するため、クローン8とクローン9の水門も開放するなど、周辺県と協力した水管理が行われています。
チャッチャート知事は、チャオプラヤ川の流量についても説明しました。
10月10日時点の流量は毎秒約2,300立方メートルで、バンコクの洪水防御システムが対応できる毎秒3,000立方メートル超の水準を下回っています。
そのため、チャオプラヤ川の流量については、現時点で防御能力の範囲内にあるとの認識を示しました。
一方、東部への水の流入やパーサック・チョンラシットダムの水量については、引き続き監視が必要としています。
バンコクの洪水リスクは、市内の降雨量だけでなく、上流や周辺地域の水位、運河の排水能力など、複数の要因によって左右されています。
バンコク都は、10月10日午後4時から11日午前4時にかけて、40~50ミリ程度の降雨が予想されたことから、追加の排水ポンプを準備するなど警戒態勢を強化しました。
予想された雨量は前週の豪雨ほどではないものの、東部では運河の水位が高い状態が続いているため、新たな雨が降れば排水が追いつかなくなる可能性があります。
当局は浸水リスクの高い地域の住民に対し、運河や排水路の水位、気象情報を引き続き確認するよう呼びかけています。
洪水の改善を受け、バンコク都は10月9日付で、全50区のうち42区について洪水による災害指定を解除しました。
一方、引き続き災害指定が残るのは以下の8区です。
・クローンサームワー区(Khlong Sam Wa)
・ブンクム区(Bueng Kum)
・プラウェート区(Prawet)
・ミンブリー区(Min Buri)
・ラートクラバン区(Lat Krabang)
・サパーンスーン区(Saphan Sung)
・サーイマイ区(Sai Mai)
・ノーンチョーク区(Nong Chok)
浸水が続くと報告された6区と、災害指定が残っている8区は必ずしも同じではありません。
災害指定が残る地区では、浸水への対応に加え、被災住宅や道路などの復旧作業も進められています。
バンコク都は水が引いた地域で、道路の清掃や大量のごみの撤去など復旧作業を進めています。
チャッチャート知事によると、ロムクラオ地区ではすでに3,200トン以上、ムーバーン・ナックキーラー地区では約280トンのごみを回収しました。
浸水した住宅地などでは、家具や家電製品、生活用品などが廃棄され、大量のごみが発生しています。
都は職員や重機を投入し、道路の通行を妨げるごみの撤去を優先して進めています。
また、12か所に移動医療・公衆衛生サービスの拠点を設置。住民への診察や一般医薬品の配布、破傷風の予防接種、ペットへの狂犬病予防接種なども実施しています。
チャッチャート知事は、今回の洪水から得られた教訓として、今後の住宅開発における土地の高さや浸水リスクの確認が重要になるとの考えを示しました。
特に低地での住宅開発については、洪水時の排水や住民の避難に支障が生じないよう、開発許可の段階から十分に検討する必要があるとしています。
バンコク都は今後、浸水リスクのある地域のデータを更新するとともに、排水設備や災害対応機材の整備を進める方針です。
市内の大部分で洪水が収束に向かう一方、東部の一部地域では住民生活への影響が続いており、排水と復旧が引き続き課題となっています。
※出典:
THE STANDARD(2026年10月10日)
Bangkok Biz News(2026年10月10日)
The Nation(2026年10月10日)
Daily News(2026年10月10日)
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