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タイで、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者がこれまでに53人確認され、このうち5人が死亡していると、チュラロンコン大学医学部臨床ウイルス学専門センターのヨン・プーワラワン博士が2026年9月12日に明らかにしました。中国ではSFTSとよく似た症状を引き起こす新たなウイルスも報告されており、同センターではタイ国内に存在するかを調べるため、検査法の開発を進める方針です。
SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)は、高熱や血小板減少、白血球減少などを引き起こすウイルス感染症です。症状はデング熱と似ており、重症化すると臓器不全を起こし、死亡することもあります。
ヨン博士によると、タイではこれまでに53人の患者が確認され、このうち48人が生存、5人が死亡しています。致死率は9.43%です。
同センターが示した分布図では、コンケン県が38例と最も多く、バンコク4例のほか、スパンブリー、ナコンパトム、ノンタブリー、ナコンラチャシマ、サケーオ、チャチューンサオなどでも患者が確認されています。
死亡例は、ペッチャブーン県2人、カンチャナブリー県1人、サムットサコン県1人、ソンクラー県1人とされています。
なお、この分布図には「Manuscript under review」と記されており、現時点ではヨン博士らの研究チームによる集計資料として示されたものです。
ヨン博士は、タイでは犬に寄生するクリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)が重要な媒介者とみられるとしています。
感染はマダニにかまれることで起こるほか、犬から取ったマダニを素手で潰すことで、その体液に触れる可能性もあるとして注意を呼びかけています。
特にタイでは犬を室内で飼い、一緒に寝る家庭もあるため、犬についたマダニを日頃から確認し、予防薬を適切に使用することが重要だとしています。
一方、中国では最近、SFTSとよく似た高熱や血小板減少を引き起こす新たなウイルスが報告されました。
このウイルスはNairoviridae科Orthonairovirus属に属するとされ、従来知られているSFTSの原因ウイルスとは別のウイルスです。
SFTSと臨床診断された患者のうち、30%以上で従来の原因ウイルスが検出されないケースがあることから、別の病原体が同様の症状を引き起こしている可能性が指摘されています。
ヨン博士の研究チームでも、タイ国内で高熱や血小板減少があるにもかかわらず、デング熱や従来のSFTSウイルスが検出されない患者を確認しているとしています。
ただし、今回中国で報告された新ウイルスが、タイですでに確認されたわけではありません。
同センターでは今後、新ウイルスを検出するための診断法を開発し、これまで保存してきた患者の検体などを改めて調査する方針です。
タイ国内に同じウイルスが存在するのか、存在する場合はどの程度広がっているのかを早急に確認したいとしています。
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