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第19回 シアン・イサーン:楽団長の歌手生活40周年を祝う公演が盛大に開催

2015年04月26日
カテゴリー: 音楽天国タイランド

第19回 シアン・イサーン:楽団長の歌手生活40周年を祝う公演が盛大に開催

現在のタイで最大の楽団といえばシアン・イサーン(เสียงอิสาน)。

400人を越える人員を抱えるこの楽団の楽団長、ノックノーイ・ウライポン(本名:ナーンウライ・イムルアン)が1975年に歌手活動を始めてから今年で40周年を向かえ、それを祝うコンサートがバンコクで開催されました。

◆ノックノーイ・ウライポン(นกน้อย อุไรพร)

バンコクでのコンサートは3ヶ所で行われ、2015年4月21日はミンブリー、22日はグライ・ナムタイ(プラカノンとクロトゥーイの間)、23日はバーンプーで開催されました。その内筆者は、22日グライ・ナムタイのバンコク大学前で行われたコンサートを観に行ってきました。

この3日間のコンサートには、お祝いということもあってスペシャルゲストでペット・サハラット(เพชร สหรัตน์)、ルークペー・ウライポン(ลูกแพร อุไรพร)、ポーイファイ・マライポン(ปอยฝ้าย มาลัยพร)が参加。さらに、22・23日にはエーム・アパサラー(เอม อภัสรา)も出演するという豪華なもの。

うちルークペーとポーイファイはかつてシアン・イサーンに在籍していた歌手でもあります。

◆4月22日の告知

ノックノーイ・ウライポンは1957年10月11日生まれ。18歳の時にウボンラーチャターニーのペット・ピン・トーン楽団に入り、歌手としての活動を始めます。その時、ペット・ピン・トーンの団長ノッパドン・ドゥアンポンから「ノックノーイ・ウライポン」の名前をつけてもらったそうです。

コンサートは9時に開始。人気歌手と多数のダンサーが入れ替わり登場するという豪華絢爛なショーの開幕です。

まずはノックノーイをはじめ、シアンイサーンの主要メンバーが登場。30分ほど歌った後に、最初のゲスト、エーム・アパサラーが登場。

彼女は既にベテランの歌手で、最近では「プー・バオ・カート・クレーン・フェーン・カオ・ゴ・ダイ(ผู้บ่าวขาดแคลนแฟนเขาก็ได้)」というヒット曲も歌っています。

まだコンサート開始わずかでしたが、エームの登場でステージ前は盛り上がります。

◆エーム・アパサラー

その後はシアン・イサーンの所属歌手→ゲスト歌手という順番でステージは進行。

シアン・イサーンは沢山の歌手が所属するだけあって、様々なキャラクターがいて、観客を楽しませてくれます。

ラートリー・ダーオフートー(ราตรี ดาวฮูโต)はちょっとエロティックな要素を取り込んでいる歌手。インパクトのあるルックスとエッチな動きで見ている者を引きつけます。

◆ラートリー・ダーオフートー

シアン・イサーンはその長い歴史の中で多くのヒット曲を出してきました。

カムモート・ポンクンデート(คำมอส พรขุนเดช)は今やルークトゥン・モーラムのスタンダードと言っても良い大人気曲「ウィン・ウァーウ(วิ่งว่าว)」を歌ったオリジナルの歌手です。

陽気なお兄ちゃんといった感じで、ステージ前で写真を撮っていると、いつもカメラに向かってポーズを決めてくれてくれます。

◆カムモート・ポンクンデート

歌と歌の合間に観られる華麗な衣装を着たダンサーたちの踊りもシアンイサーンのステージの見所。

1回のステージ中に何度も着替えるのと、沢山のダンサーがいるので、舞台裏には衣装が沢山ありました。

そして、2014年の大ヒット曲「アーイ・ターイ・シ・ハイ・ナム・ボ(อ้ายตายสิไห่นำบ่)」で数多くの賞を受賞したペット・サハラット(เพชร สหรัตน์)の登場で、会場はさらに盛り上がります。

ペットは基本的にプア・チーウィットの歌手と言って間違いありませんが、モーラムにも精通していて、自身が作ったモーラムの曲を他の歌手に提供していたりします。

この日も自身の曲以外に、モーラムの人気曲「サーオ・ルーイ・ヤン・ロー(สาวเลยยังรอ)」などを歌っていました。

◆ペット・サハラット

続いてはシアン・イサーン所属歌手の中でも美形の2人、ノーンペン・ナッティダー(น้องแป้ง ณัฐธิดา)とベル・カニッター(เบลล์ ขนิษฐา)が登場し、クラテー(กระแต)がカヴァーしたチャーイ・ムアンシン(ชาย เมืองสิงห์)の曲「メーリー(เมรี)」を歌唱。

清純なイメージがあるノーンペンが黒を基調とした衣装を着ていて、中年のおじさんにはなかなか萌えるものがありました。

ちなみに、ノーンペンは楽団長ノックノーイの娘でもあります。

◆ベル・カニッター(左)とノーンペン・ナッティダー(右)

また、ベルはシアン・イサーンの男声歌手トッフィー・シープーウィアン(ท็อฟฟี ศรีภูเวียง)とデュオでオリジナル曲もリリースしています。

◆ベル・カニッターとトッフィー・シープーウィアン

続いて登場したのは、かつてこのシアン・イサーンの舞台で活躍し、今はソロで歌っているルークペー・ウライポンの登場です。

ルークペーはシアン・イサーンではマイタイ・フアヂャイシン(シアン・イサーン在籍時はマイタイ・ウライポン)とコンビを組んでいたのですが、そのせいもあってかやたらと動きまわるキャラクターが良く似ています。

この日もステージの端から端までとにかく動き回り、わずか数曲しか歌っていないのに、汗だくになっていました。

◆ルークペー・ウライポン

ルークペーが散々盛り上げた後も、会場は盛り上がり続けます。

続いての歌手はシアン・イサーン所属のベテラン、ヂャカヂャン・ダーオプライ(จั๊กจั่น ดาวไพร)です。

写真を見てもお分かりだと思いますが、決して若いとは言えないヂャカヂャンですが、アップテンポの曲を得意とするシアン・イサーンの盛り上げ役です。

この日は比較的落ち着いた感じの衣装を着ていましたが、かつて見たときは深夜の時間にかなりエロティックなステージを展開していました。

◆ヂャカヂャン・ダーオプライ

そしてゲスト陣の最後は、シアン・イサーン出身の中でも特に人気のあるポーイファイ・マーライポンです。現在は、かつてのサーオマート・メガデーンの相方であったヤーイソーンを連れて活動しています。

ポーイファイはシアン・イサーンではコミカルな役柄で人気を博した人。大ヒット曲「マン・トン・トーン(มันต้องถอน)」のオリジナルの歌手でもあります。

この日もポーイファイのコミカルなキャラは健在。ヤーイソーンとのやりとりで観客を爆笑させていました。

◆ポーイファイ(左)、ヤーイソーン(右)

そして最後はノックノーイを初め、シアンイサーン所属の歌手とダンサーが勢ぞろいしての登場です。

とにかくこれだけの数の歌手とダンサーが舞台に一同に会すると圧巻の一言。

2015年で58歳になるノックノーイ・ウライポンですが、これだけの大規模な楽団を束ねることが出来るのは、歌手の多いタイといえども彼女一人だけと言っても過言ではありません。

これからも健康に留意して、出来るだけ長い間、我々を楽しませて欲しいと願ってやみません。

kapiraja
タイ音楽好きが高じて、現在現地調査中。ブログでも情報を発信しております。「タイ式エンタテイメントの楽しみ方」 http://blog.livedoor.jp/kapiraja1968/基本的にはジャンルにこだわっていませんが、どちらかといえばルークトゥン・モーラムに関する話題が多いです。
ゆくゆくは日本でのタイ音楽知名度がもっと上がれば良いと思っています。そして、タイと日本のミュージシャンとの交流がもっと盛んになってくれることを期待しています。
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