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NACC、プラウィット副首相の腕時計問題は違法性無しと判断!タイ世論から批判

2018年12月28日 配信

先にPJA NEWSの以下の記事でもお伝えしていた、NACCによるプラウィット副首相の腕時計問題について昨日会見が予定されていた件について、大きなニュースがありました。

日本企業のタイ贈賄事件、タイでさらに反響が拡大



NACC(タイ国家汚職防止委員会)は、プラウィット副首相の腕時計問題についての昨日(12月27日)の会見を延期するとしていましたが、昨日の夕刻に一転し会見を開きました。

NACCは会見で、同問題についてプラウィット副首相の資産申告に違法性がないと判断し、捜査を終了することを発表しました。

昨夕のタイメディア大手英字紙、バンコクポストが12月27日に以下の通り伝えています。

NACC clears prawit of luxury watch assets scandal(NACC、プラウィット副首相の腕時計問題について違法性無しと判断)|Bangkok Post

NACCは12月27日(木)夕刻記者会見を開き、プラウィット副首相が着用していた事が見つかった22個の高級腕時計の問題について、閣僚に義務付けられている資産申告をしていなかった問題についての評決を行った事を発表した。

NACCの捜査に対しプラウィット副首相は、すでに故人となったプラウィット副首相の友人のPatthawat Suksriwong氏から借りたものであり、自身の資産ではないと説明していた。

これを受けてNACCは腕時計メーカー、販売店、外務省、関税局、目撃者などからの情報提供を求めて調査を行った。

その調査の上で、2014年9月4日にプラウィット副首相が資産申告をした際に、資産隠しをする意図があったかどうかについて評決を取った結果、5対3で資産隠しの意図は無かったと判断され、資産隠しの違法性はないと判断された。

これが、発表と報道されている内容の概要で、これをもってNACCの捜査は実質上終了しました。

プラウィット副首相

プラウィット副首相 写真には腕時計の一つと指輪が写っている。(写真 Pattaya Oneより)

評決については、発表されている内容が上記のみのため、どのような情報を元にした評決だったのかなどの詳細がわかりませんから、その内容などについては何とも言えません。

しかしながらタイ世論では、この発表がされた事を受けて批判が大きくなっています。

現地タイメディアの大手Matichonは12月27日、発表を受けて批判が噴出しており、現在の政権を批判してタイで大ヒットしたラップ「プラテット・クー・ミー」のYou Tube上の動画は再生回数は衝撃の5千万回を突破したことを報じています。

もう、タイの総人口の約6900万人に達しそうな勢いですね。

27 ธันวา 61 ‘ประเทศกูมี’ ทะยานเฉียด 50 ล้านวิว|Matichon

※反政権ラップの「プラテット・クー・ミー」については、以下の過去記事をご覧ください。

タイで政権批判のラップが大きな話題に(日本語字幕動画付き!)|PJA NEWS

批判の声は大きく、現地タイメディアの大手のカオソッド(Kaosod)は12月28日のニュースでも、亡くなった友人のPatthawat Suksriwong氏を顔写真付きで大きく取り上げて、日本語で言う「死人に口なし」だという趣旨で批判しています。

ชูวิทย์ ลั่นผมมีสิทธิ์พูด หลัง ป.ป.ช.ตีตกคดีนาฬิกายืมเพื่อน ถ้ารู้ว่า ยืม แล้วรอด!|Kaosod

海外メディアも同様に報じており、日本メディアも共同通信が12月27日、タイニュースとして以下の通り報じました。

タイ副首相、金銭疑惑は不問に~高級腕時計は友人のもの~|共同通信

以下、共同通信の記事を引用します。

【バンコク共同】タイの国家汚職追放委員会は27日、記者会見を開き、プラウィット副首相兼国防相が20個以上の高級腕時計などを所持していたことから浮上した金銭授受疑惑について、時計は友人から借りたものと断定、調査を継続するに足る証拠は得られなかったと発表した。調査は事実上終了し、プラウィット氏は不問に付されることになった。

プラウィット氏はプラユット首相に次ぐ軍事政権のナンバー2。同委員会は金銭授受の有無については言及しておらず、疑惑が完全に解明されたとはいえない。来年2月に予定される下院総選挙でも、親軍政政党にはマイナス材料になる恐れがある。

共同通信も指摘している通り、今回の決定の発表は2019年2月に予定されている選挙での大きなマイナス要因となるでしょう。

軍政に対してクリーンさや規律を求めていた都市部の中間層などからは、現在の軍政への支持が失われる危険性が高まっており、そのマイナスの影響は大きくなりかねません。

日本人の視点で見ると、なんだか日本の安倍政権の森友・加計問題と似たような構図と思わされます。

日本でも、安倍政権の森友問題や加計問題があまりにも怪しく、世論から大変な批判を浴びても、籠池夫妻だけが刑事罰に問われただけで、政府側が違法だとはされていません。

むしろ日本の場合は公文書の偽造や隠蔽が違法性がないとなり、これがまかり通るようになっているわけですから、とてもではないですが日本人としては、タイについて批判できる立場にないと思ってしまいます。

権力は、腐敗する。

そして絶対的権力は、徹底的に腐敗する。

ジョン・アクトン(イギリスの歴史家、1887年4月5日の友人のMandell Creightonへあてた手紙より)*

権力が与えられると、その権力は必ず腐敗するものです。

そして絶対的な権力ほど、徹底的に腐敗するという核心を述べた、イギリスの歴史家のジョン・アクトンの言葉を思い出します。

だからこそ、近代の民主主義は選挙という手段も含めて、外部の権力の監視と批判を常に受け続け、権力が腐敗しないようにする仕組みを制度として模索してきました。

この「外部の監視、批判により腐敗を防ぐ」という事は、国も企業も、組織と言われるものは全て同じだと思います。

タイはあと2か月で選挙を予定していますが、この後の動きはどうなるのか、注目が集まります。

(*)自由主義の研究で有名な英国の歴史家、ジョン・アクトンの言葉です。有名な自著には「自由の歴史」、「フランス革命講義」など。

引用した言葉の原文は

Power tends to corrupt and absolute power corrupts absolutely.

で、”absolute”と”absolutely”がかかっているのですが、この”かかり”が、日本語に訳すときに上手く訳しにくい言葉です。

直訳すると「絶対的権力は、絶対的に腐敗する」なのですが、絶対的な腐敗って何だ?となってしまうので、上記の訳で記載しました。

この言葉は有名な言葉ですが、自由主義研究で有名なジョン・アクトンの有名な自著などに書いてあるわけではなく、友人への手紙に書いた一文です。

ジョン・アクトン|Wikipedia