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第124回 タイでドイツの戦術を…要するに「攻守の切り替えを早くしなさいっ!!」ということ

2013年6月8日 配信

2013年6月8日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

2012-13 UEFA Champions Leagueは、権勢を誇ったスペイン勢の終焉・ドイツ時代の幕開けとの印象を少なからず受けた。決勝はバイエルンvsドルトムントというドイツのチーム同士の対決。両チームともゴールを目指すスピードが速く、ボールがゴール前を横切る回数が多く、スリリングでエキサイティングな試合となった。しかしゴールマウスを守るGK、バイエルンのNEUER、ドルトムントのWEIDENFELLERと両選手のレベルが非常に高く簡単には失点しない、本当に好ゲームであった。エースのROBBEN選手が決勝点を奪いバイエルンの優勝、来季は近年のバルセロナの黄金期を築いたGUARDIOLA氏の監督就任が決定しているだけに、この優勝チームの行く末が非常に楽しみである。

俺がバンコクのINFINITOというサッカースクールで指導を本格的に始めて早2ヶ月が過ぎようとしている。このチームは、バイエルンのROBBEN選手やRIBERY選手とまでは行かないが、ゴールに向かってドリブル・仕掛ける事が出来る選手を多く揃えているのが特徴か。となると通常は「バイエルンのようなサッカーを目指す」のが通常の考えなのであろうが、俺は準優勝したドルトムントのKLOPP監督の実践する“GEGEM-PRESSING(G-Press)”という戦術にヒントを得た。GEGEM(ゲーゲム)とはドイツ語で「~に逆らって」という意味だそうで、日本サッカー界にはまだこれに対応する専門用語が無いという。

この「G-Press」簡単にまとめると以下の通りである。

・G-Pressとは自分達がボールを失った瞬間、すぐにボールを奪い返そうとするプレスである。
・攻守の移行期にボールを奪えれば、相手の陣形が乱れているため一気にゴールへ迫ることが出来る。下手にボールを回すより、はるかに効果的である。
・G-Pressは格上のチームにも、そして守備を固めた相手にも効果的である。
・ロングボールも捉え方が変わってくる、「ロングボールはG-Pressへの招待状」である。

この戦術を実践する上では非常にハードな運動量が求められるのであるが、俺なりにめちゃくちゃ簡単に噛み砕いて出した結論は「獲られたら取り返しなさい…攻守の切り替えを早くしなさい」ということ。これを子供達に伝える上で「攻守の切り替えを早く…」というよりも「ドルトムントと同じサッカーをやろう!!」と伝えた方が遥かに効果的。実際選手達の目の色が変わって格段に良くなっている選手が多い。

現マンチェスター・ユナイテッドの香川真司選手をはじめ、毎シーズンごとに主力選手が移籍してしまうドルトムントを決勝まで導いたKLOPP監督の「G-Press」、数年で日本に帰国してしまう選手が多いINFINITOも同じような環境ということでも強化のヒントになるのかな。現時点で小学校高学年の世代は、バンコクではタイ人の子供達の方がアドバンテージを持っていて、実際に強いと思う。そこで「G-Press」である…今後INFINITOの代名詞として定着させていければ!!なんて本気で考えて熱く・熱苦しく指導を繰り返す日々を“いとたく”は過ごしている。

伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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