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第185回 動いたら”パス”と呼び込むとこまでやりなさいよっ!!

2014年5月10日 配信

2014年5月10日掲載

「夢追い人」のタイサッカー珍道中

 4月下旬から新しいタームがスタートした。タイはソンクラン(水かけ祭り)という旧正月があり、春休みが日本より多く設定されている。先タームで本当に多くの選手達が日本への本帰国や他の国へと旅立って行った。当スクールINFINITOも既存の選手達がそれぞれの学年が上がった影響もあり、昨年ある程度カタチに出来ていたチームをまた1から創り上げる作業を強いられているのかなと感じる。
バンコク、とくに日本人対象のサッカースクールはグランドや交通網の関係でArena10を中心に活動しているクラブが殆ど。毎日のように色々なスクールが隣り同士となり活動をしているのが現状。はっきり云って小学生年代の日本人選手達は凄く大人しい。どのスクールもグランドは天井が付いているドーム型なのに、1番声を出しているのがコーチ・指導者なんだよね。「いつも学校でお喋りしていると怒られるだろうけど、グランドの中ではいくら騒いでも怒られないんだからなっ」「サッカーはボールに触ってなんぼのスポーツ、”ヘイ”とボールを呼び込んでプレーし続けろ」「フリーなんだからボールを呼び込めよ、外からこの事を指摘されるのは恥ずかしいと思え」「ナイス動きなんて評価はして貰えない、ボールを呼び込んでプレーすることでナイスな動きは完成する。”ボールが出て来るかなぁ”と待つより”このタイミングで欲しいんだ”とアピールしろよっ」言葉を色々と変えて指導しているんだけど…伝わってるのかなと感じることが本当に多々ある。
俺はお酒を飲むのが好きだから、色々な人(色々な職種・業界の人)と話す機会が割と多い方なのかなと思う…そこでみんな一同に口にするのは”今の子供達は物事に対して執着をしない”ということ。物を与えられすぎちゃっているのかなぁと…例えばバンコクでいうと、家にはアヤさん(家政婦)が何でもしてくれて、運転手さんもいて学校や習い事は送迎のバスが当たり前の世界。サッカーで云うとボールやGK手袋、水筒を練習場に忘れていったり失くしたりしても最終的にはまた新しい物が買ってもらえるという考えの子が存在するんだよね。だからなのかな…「ボール出せよっ!!」と試合中にキレる選手が本当に見られない。残念ながらタイ人の子供達の方が要求しあっているように感じる。
俺の指導方針は常に”熱く…熱苦しく”だから、もぅウザがられたって良い。ナイスパスを通した選手に対しても「(パスの受け手に)フリーとか情報を入れた!? 入れてないから100点のパスだったけど3点ね」とか「折角良いポジションにいたのに”パス”と呼び込まなかったから、ヒーローになり損ねたなぁ…もったいねぇ」とオーバーに接するようにしている。だってさぁ、ここまでやらないとシュート練習にしても「ナイスシュート」という声すら出て来ずに淡々とプレーし続けるからね。そのせいでか、いとたくの声は常にガラガラ状態なんだけど…でも大丈夫、それを見かねて最近はのど飴を差し入れしてくれる父兄の方がちらほらと。こののど飴をなめながら”バンコクの子供達にとってウザい指導者で居続けてやると決意をし、指導にあたる”いとたく”なのである。活気ある、躍動感のある選手達が駆け回るサッカー環境を求めて…。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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