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第82回 タイでプレーする為に…タイのトライアルについて

2012年12月28日 配信

2012年12月28日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

 日本のサッカー選手は12月から1月にかけてオフになる。身体を休めたり里帰りしたりするんだけど、タイもそれは同じ。去年は洪水の影響があって年末年始も試合をしていたけどね。それと同時に選手達の移籍や引退が発表される時期でもある。自分は2010年の11月、シーズン中に「来季の戦力外」通告を受けて気持ちが引退に傾きかけたけど12月に行われた”トライアウト”に参加。そこでタイを知り、1月にトライアルに来た訳だ。
例年沢山の選手達が1月にタイに挑戦しに来ているんだけど、近年タイは変化が起こり始めている。日本の代理人に”こういう選手が欲しい”とチーム側が交渉をして日本で契約を済ませてから来タイするケースが増えていること。これは良い傾向であるとは思うんだけど、それと同時に実績の無い選手が契約へと入り込む枠が削られているのも事実。外国人枠は7人なんだけど、前シーズンに活躍した選手や複数年契約を結んでいる選手、そして前述の代理人を通して契約を済ませる選手で12月(年内)には各チーム5か6の枠が埋まっている。残りの1~2枠を1月から挑戦に来る選手達が奪い合う形となる訳だが、1000人を超えるアフリカン、200人のアジアン、そして100人程の日本人がトライに来るから本当に狭き門である。
自分は”Aというチームが興味を持っている”という事で来たんだけど、実際来てみたら”あぁ、その話しは無くなったから…”と適当にあしらわられて多いに不安になった。実際後に消滅したチームにトライに行ったり、”今日は何処もありません”とトライに行けない日もあった。最初から”家族がいるし、バンコク周辺のチームじゃないとダメだしサラリーも最低これくらい貰わないと…”と条件を突き付けていたから代理人にとっては”面倒臭い選手”だったかも知れない。トライを終えて帰国する時にオファーをくれたチームの条件が悪かったから”これではやれない、車は自分で用意するからせめて家は面倒見てくれ”と伝えた。
帰国してから2~3日経った頃に代理人から連絡があって”全てクリアになったからタイに来い”という。VISAの問題があるから家族は1ヶ月後に呼べば良いという事で渡タイしたんだけどね。全てが変わっていなかったという…サッカーに集中出来る環境では決して無かったね、家族との生活を守るため引退せざる負えなかった訳だし。まぁ人間的に強くなったとは思うけど。
自分はこんな目に合っているのに、何故かタイが好きだ。そしてタイに挑戦に来る日本人選手も好きだ。だからこれからもタイの日本人選手達を応援していきたい。更に彼らを応援するために一人でも多くの人達をスタジアムに足を向けさせる活動をしていこうと思っている。ここでのコラムもその活動の一環、如何せんライター経験の無い自分が書いている文章なので拙い作品が多かったように思う。それでもスタジアム等で”いとたくさん、コラム読んでます”なんて声を掛けてくれる人もいるのでね、まだまだコラム集筆は辞められませんな。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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