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第19回 契約書はティッシュペーパー!?

2012年6月18日 配信

2012年6月18日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

タイのサッカーリーグはもう直ぐ約1カ月の中断期間に入ります。この期間に各チームは新たな選手を獲得して戦力アップを図ります。前期あまり活躍できなかった選手が他のチームに出場機会を求めて移籍したり、新たな外国人選手を補強したりします。新たにこの期間にタイのチームに加入した日本人選手も結構いまして、今後の活躍が期待されます。

しかしチームの外国人登録枠は1チーム7人までと決まっています。ここでタイのチームはどういう事をするかというと、“1年契約”を結んでいるのに契約を簡単に途中で破棄してしまったりします。“2年契約”を結んでいたのに1年で解雇されたというような話もしょっちゅう聞きます。

契約解除を免れた選手も、例えば怪我をして活躍出来なかった選手に対して勝手に減俸したり、契約書に書いてある約束を平気で破ったりします。あまりにもこのような事が多いので、選手達の間では「契約書はティッシュペーパー」だから信用できないなどと冗談を言ったりしています。

僕の所属したチームは始動し始めてわずか3カ月で何故かGM(ゼネラルマネージャー)が解雇されました。僕が契約の交渉をしたのはこのGMだったのですが、僕は家族がいるしタイに連れてくる事を契約の時に口酸っぱく言っていました。

GMがいた時も約束していた家族へのケアをあまりして貰えていなかったのですが、GMが解雇されてからもチームスタッフにちゃんと約束した事を実行して貰おうと訴え続けてきました。そしたらある日チームスタッフに「それはGMと結んだ契約で契約書のサインもGM、この契約書は今は無効だよ」と言われてしまいました。

ここで頼りにしたい代理人の存在なのですが、タイは縦社会ですのでチームのプレジデントに対してタイ人の代理人は意見を言えないみたいなのですね。だからどうするかというと「みんな同じなのだから…」といって僕を宥めようとします。サラリー遅配の時もチームに抗議して欲しかったのに「みんな出てないのだから…」と言われてしまっていました。

明るい話題が多く急速に発展しているタイのサッカー界にとって、とても深刻で改善していかなければいけない問題だと思います。魅力溢れるタイサッカーの未来のために…。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
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